こんにちは、なーぴょん(@KOSODATEhoihoi)です。
このブログでは、転職ノウハウや転職サイトの選び方などを解説しています。

わからないことが多いので誰か教えて!
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 訪問入浴とは?
- 訪問入浴の特徴
- 向いている人と向かない人
- 訪問入浴のやりがい
- 訪問入浴のきついところ
- 訪問入浴の流れや一日の流れ
- 訪問入浴のトラブル事例
- よくある質問
- 後悔しない業者選定ポイント
本記事は「訪問入浴がどのようなサービスなのか」世界一わかりやすく解説しています。
この記事を読めば、気になることがわかるのはもちろん、今まで以上に興味を持つことができるでしょう。
- 訪問入浴に興味がある
- どんなサービスか知りたい
- 理解してから働きたい
こんな方にピッタリの内容になっています。

本記事は働きたいと思っている方向けの記事です。
訪問入浴を使う側の記事ではありませんのでご注意ください。
訪問入浴とは?
厚生労働省の資料では、訪問入浴を以下のように定義しています。
訪問入浴とは
要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活が営むことができるよう居宅における入浴の援助を行うことによって、利用者の身体の清潔の保持、心身機能の維持等を図るもの。

要するに、「どのような身体状況になっても、快適な生活ができるように入浴の支援をする」ということです。
訪問入浴の概要
今から遡ること約50年。
昭和52年にアサヒサンクリーンという会社が高齢者(障害者)の方を対象とした、巡回入浴サービスを日本で初めて事業化しました。
全国の事業所数 | 1,770事業所 |
給付額 | 52,495(百万円) |
利用者数 | 123,0(千人) |
利用率 | 2%弱 |
引用:厚生労働省
大枠を掴むという点でまとめました。

他サービスとの違い
他のサービスとの違いをまとめました。
以下の表をご覧ください。
これは介護保険サービスにおける「入浴」という点に着目した表です。
訪問入浴 | 訪問介護 | 訪問看護 | 通所介護 | 施設 | |
使用する浴槽 | 専用浴槽 | 自宅の浴槽 | 自宅の浴槽 | 通所介護の浴槽 | 施設にある浴槽 |
浴槽持ち運び | 可能 | 不可能 | 不可能 | 不可能 | 不可能 |
スタッフの人数 | 3人 | 1〜2人 | 1〜2人 | 施設による | 施設による |
介護保険で入浴するサービスはいくつかありますが、人員配置や使用する浴槽など微妙に違ってきます。
よく訪問介護との違いを聞かれますが、まさにコレ。
「訪問入浴」と「訪問介護」の違い
- 「訪問入浴」:専用浴槽を使う
- 「訪問介護」:自宅の浴槽を使う
ここはまず押さえておきましょう。
所要時間
訪問入浴の所要時間は約45分です。
45分の内訳は後述しますが、1件の利用者宅に到着してから退出するまでが45分。
その45分のサービスを一日6件〜7件ほど訪問することになります。
ただ一般論として、訪問入浴業者が黒字化するためには、一日6件以上の訪問が必要と言われています。

利用料金と利用頻度
訪問入浴の利用料金は以下の通り。
【要支援】
全身浴 | 845単位 |
清拭・部分浴 | 592単位 |
【要介護】
全身浴 | 1,260単位 |
清拭・部分浴 | 1,134単位 |
利用頻度は以下の通り。
約80%の方が週に1回か2回です。
入浴は身体に負担がかかりやすいため、体力が落ちている高齢者は入浴リスクが高く、回数を入ればいいというものではありません。
ちなみに、季節によって入浴回数を変更する方も多いのも特徴です。

対象者
訪問入浴の対象となる方は以下の通り。
訪問入浴の対象者
- 要介護認定を受けていること
- 医師からの許可があること
訪問入浴は制度上、全ての介護度の方が利用可能です。
介護度別に見た訪問入浴の利用者は以下の通り。
要支援1 | 0.2% |
要支援2 | 0.6% |
要介護1 | 2.6% |
要介護2 | 8.2% |
要介護3 | 12.2% |
要介護4 | 26.9% |
要介護5 | 49.4% |
ご覧の通り、要介護度4〜5の方が80%弱を占める結果となっています。
訪問入浴の作業方法
訪問入浴の作業方法は3つに分類できます。
訪問入浴の作業方法
- 通常作業:入浴車でお湯を沸かす方法
- 給湯作業:自宅の給湯設備を借りる方法
- ポンプ作業:自宅の浴槽からお湯を汲み取る方法
訪問入浴はどんな住環境にお住まいの方でも利用が可能です。
訪問入浴の7つの特徴
訪問入浴の特徴は7つまとめました。
訪問入浴の特徴
- 人員配置
- 安心して働ける
- 専用浴槽を使う
- 利用期間が短い
- 作業色が強い
- 無資格で勤務可能
- 顧客満足度No.1
一つずつ解説します。
人員配置
訪問入浴は3人1組でサービス提供します。
職員の内訳は以下の通り。
- 介護職員(オペレーター)※男性が多い
- 介護職員(ヘルパー)※女性が多い
- 看護職員
たまに介護職員3名で訪問する業者もありますが、ほとんどが介護職2の看護師1です。
安心して働ける
訪問入浴は安心して働くことができます。
訪問入浴が3人1組なので、サービス中を含め一人仕事をするということがありません。
- 利用者の情報
- 作業方法
- 実技的な疑問点
- 医療的な疑問
- 緊急時の対応 等
これらのわからないところは共有しながら対処できるので安心して働くことができます。
特に新卒や未経験の方にとって、この安心感は大いに助かることになるでしょう。
他の介護の仕事は一人でやらないといけないことが多いので、常に不安と隣り合わせ。

専用浴槽を使う
訪問入浴は専用浴槽を利用するのも特徴です。
前述の通り、訪問介護や看護の入浴と違い、訪問入浴専用の浴槽を使います。
訪問入浴 | 訪問介護 | 訪問看護 | 通所介護 | 施設 | |
使用する浴槽 | 専用浴槽 | 自宅の浴槽 | 自宅の浴槽 | 通所介護の浴槽 | 施設にある浴槽 |
浴槽持ち運び | 可能 | 不可能 | 不可能 | 不可能 | 不可能 |
スタッフの人数 | 3人 | 1〜2人 | 1〜2人 | 施設による | 施設による |
そしてこの専用浴槽は、以下の2つに分類できます。
浴槽の種類
- 一体型浴槽
- 分割浴槽
一体型浴槽は頭もとの洗髪台が分割できるタイプで、大柄の人でもゆったり入浴することができます。
分割浴槽は浴槽の中間部分で分割できるタイプで、運びやすいメリットはありますが、利用者は少し狭く感じます。
いずれにせよ、訪問入浴は専用浴槽を使用して初めて成立するサービスということです。
訪問入浴の浴槽については以下の記事をご覧ください。
利用期間が短い
訪問入浴は利用期間が短いのも特徴です。
杖や住宅改修など軽微な介護保険サービスを合わせると、日本人の平均介護期間は約10年ほどと言われています。
その中で訪問入浴は他のサービスと比べて圧倒的に利用期間が短く、平均すると約3ヶ月〜6ヶ月ほど。
理由は以下の通り。
- 寝たきりの利用者が半数以上である
- ターミナルの依頼も多い
- 施設入所までの繋ぎで利用されることもある
利用者の入れ替わりが激しいのも特徴と言えるでしょう。
作業色が強い
作業色が強いのも訪問入浴の特徴です。
訪問入浴は1件約45分。
そのうち入浴時間は10分ほどです。
では残りの35分は何をしているかというと介護以外の業務です。
- 浴槽の搬入搬出
- お湯を溜める
- 利用者との会話
- 介護者との会話
- 浴槽の洗浄
- 記録
常に利用者と接するサービスが良いと思う方にとっては物足りないと感じるかもしれません。
無資格で勤務可能
訪問入浴は無資格で勤務可能です。
介護の仕事に就こうとすると、資格が必要な場合があります。
- 介護職→初任者研修
- 福祉用具→専門相談員
ですが訪問入浴は介護保険で「無資格OK」と謳われているため、資格を持っていなくても勤務できる。
無資格未経験の方でもオススメの仕事と言えます。
また訪問入浴は給与額が高いのも特徴です。
»訪問入浴介護の年収事情【年収アップの方法と優良業者の選び方】
顧客満足度No.1
訪問入浴は顧客満足度No.1です。
- 3人1組で手厚いサービスが可能
- 唯一、気分爽快になれるサービス
- 人生で最後の入浴になるかもしれない
訪問入浴は人の生き死にと近いところで働くことになります。
なので必然的に顧客満足度が高くなるんですね。
語弊を恐れずに言うと、全介護保険サービスの中で最も顧客満足度が高いのが訪問入浴だと思います。
訪問入浴の特徴については以下の記事で詳しく解説しました。
»訪問入浴の7つの特徴【知っておきたい他サービスとの違いを解説】

訪問入浴に向いている人の特徴
訪問入浴はどのような方に向いており、どんな人に向かないのでしょうか。
向いている人
- 体力がある人
- 一人に向き合いたい人
- 仕事も私生活も大事な人
- やりがいを感じたい人
一つずつ解説します。

体力がある人
訪問入浴は体力がある人に向いています。
介護業務の中で入浴介助は特に体力が必要な業務で、訪問入浴はその最たるものです。
- 物品の搬入出
- 浴槽の持ち運び
- 利用者の抱え
- サウナ状態での入浴介助
- 中腰の姿勢
特に夏場の訪問入浴は半端じゃないくらい大変です。

一人に向き合いたい人
訪問入浴は一人一人に向き合った介護がしたい人に向いています。
サービスの特徴として、3人のスタッフが1人の利用者と向き合うことになります。
- 一人の利用者のためにサービス提供したい
- 寄り添った介護がしたい
- 一人一人に向き合いたい
こんな方にはピッタリなサービスです。
一人と向き合えることは訪問入浴の醍醐味であるとも言えますね。

»訪問入浴看護師のやりがい5選【業界13年目の筆者が徹底解説】
仕事も私生活も大事な人
訪問入浴はプライベートの時間も大切にしたい人に向いています。
訪問入浴の勤務形態は以下の通りです。
- 夜勤なし
- 日曜日定休(※業者による)
なので一般的な会社と同じような働き方ができます。
- プライベートの時間も充実させたい
- 自分の趣味の時間を確保したい
- 仕事ばっかりの人生は嫌だ
- 夜勤はしたくない
こんな人にピッタリです。
やりがいを感じたい人
利用者からの感謝がやりがいになる人にも向いています。
訪問入浴は介護保険の全サービスの中で最も顧客満足度が高いサービスであるのは前述の通りです。
- 人のために何かをするのが好き
- 人から必要とされる仕事に就きたい
- 人から感謝される仕事がしたい
そう思う気持ちがあるのならこれ以上ない仕事だと思います。
訪問入浴に向いている人の特徴は以下の記事で解説しています。
»訪問入浴の仕事に向いている人の特徴10選【13年目の筆者が解説】
訪問入浴に向かない人の特徴
訪問入浴に向かない人の特徴は以下の通りです。
向かない人
- 介護技術を身に付けたい
- マイペースな人
一つずつ解説します。
介護技術を身に付けたい
訪問入浴は介護全般のスキルを身につけたい人には向きません。
なぜなら訪問入浴は入浴行為に特化したサービスでだからです。
とは言え、スキルが身につかないかというとそういうわけではありません。
訪問入浴で身に付くスキル
- 着脱
- おむつ交換
- 入浴の作用
- 疾病に対する知識
- 他職種との連携
- コミュニケーションスキル
入浴に関する知識だけでなく、その他の知識やスキルを習得した方には向かないでしょう。
マイペースな人
訪問入浴はマイペースな人にも向きません。
それもそのはず、訪問入浴は3人1組で行動するサービスだからです。
- マイペースな人
- 自分勝手な人
- 人に合わせるのが苦手な人
利用者に良いサービスをするのは当たり前。
それと同じくらい職員にも気を配れる人が望ましいでしょう。
訪問入浴のやりがい
訪問入浴のやりがいは以下の3つです。
訪問入浴のやりがい
- 利用者との距離が近い
- 自分を必要としてくれる
- 泣くほど喜ばれる
一つずつ解説します。
ぜひ参考にしてください!
こちらの記事もご覧ください。

»訪問入浴のやりがいとは?【業界13年目の筆者が職種別に解説】
利用者との距離が近い
一つ目は利用者との距離が近いところです。
- 利用者と深く関わることができる
- さまざまな話が聞ける
- 自分を信頼してもらえる
これがやりがいへと直結します。
病棟では患者との関わりが希薄だったけど、訪問入浴ならしっかりと向き合える。
これは介護職にも当てはまることです。

自分を必要としてくれる
二つ目は自分を必要としてくれるところです。
訪問入浴では「待ってたよ〜!」「楽しみにしてた!」という声が非常に多く聞かれます。
どんな仕事も感謝される仕事ですが、訪問入浴ほど感謝され自分を必要としてくれる仕事は珍しいです。
- 自分を必要としてくれる
- 自分の存在を認めてくれる
- 自分を待っててくれている
そう思いながら働くことができるのは幸せなことですよね。

泣くほど喜ばれる
三つ目は泣くほど喜ばれるということです。
- ターミナルの方
- 入浴中にご逝去の可能性がある方
- 今しか入浴できない極限的な方
このような方も多く依頼をいただきます。
そんな利用者の入浴が無事に完了したときどんなことが起こるのか。
- 本人
- 家族
- 利用者に関わるサービス事業所
この方々が涙を流して喜んでもらえます。
多くの仕事がある中で涙を流して喜んでもらえる仕事ってそんなにないと思います。
介護職は感謝されると言いますが、訪問入浴はその中で最も喜んでもらえるサービスだと思います。
次の章で解説していきます。

訪問入浴のきついところ
訪問入浴のきついところは以下の3つです。
訪問入浴のきついところ
- 人間関係
- 入れ替わりが激しい
- 体力的にきつい
訪問入浴の辛さについては以下の記事で解説しています。
»訪問入浴の辛い?きつい?【13年目の業界人が感じた真実を激白】
一つずつ見ていきましょう。
人間関係
一つ目は人間関係です。
訪問入浴は3人1組が基本なので、職員間の人間関係が崩れると地獄です。
- 働いていて楽しくない
- 利用者に良いサービスが提供できない
- 単純にストレスが溜まる
利用者に良いサービスをするのはプロとして当たり前。
訪問入浴は利用者と同じくらい職員にも配慮できる心配りが必要だと思います。
入れ替わりが激しい
二つ目は利用者の入れ替わりが激しいところです。
- 1回でご逝去される方もいる
- 元気だった人が急変してしまう
- 施設入所する方も多い
利用者一人に対する訪問入浴の利用期間はだいたい3ヶ月程です。
そのため同じ利用者と長く向き合いながらサービスをしたい方には辛い仕事となるかもしれません。
体力的にきつい
三つ目は体力的な部分です。
- 重い物品の持ち運び
- 中腰の姿勢
- サービス中は部屋がサウナ状態
訪問入浴は介護職の中でも最も体力的にきつい仕事かもしれません。
その時の対処法については以下の記事をご覧ください。

»訪問入浴を辞めたいと思ったときの対処法【具体的な解決策はコレ】
訪問入浴の流れ8ステップ
訪問入浴の流れを簡単に説明します。
訪問入浴の流れ
- 訪問
- 入浴前の健康確認
- 入浴準備
- 浴槽への移動
- 洗顔・洗髪・洗身
- 浴後の健康確認
- 後片付け
- 退出
サクッと解説します。
①:訪問
ステップ①が訪問です。
介護計画書に基づき、決められた曜日と時間帯にスタッフ3名で訪問します。
②:入浴前の健康確認
ステップ②が看護師による入浴前の健康確認です。
- 体温
- 血圧
- 脈拍
- 呼吸数
- SPO2
この数値をもとに入浴の可否判断をしますが、万が一体調が悪い場合は入浴から清拭・部分浴に変更することもできます。
また訪問入浴の看護師でも判断がつかない場合は、訪問看護や主治医に連絡し判断を仰ぎます。
③:入浴準備
ステップ③が入浴準備です。
(※正確には健康確認と同時並行です)
- 浴槽
- ホース
- 下に敷くマット
- 排水モーター
- ナースバック
入浴方法によって使用する物品の種類や多さは若干違いますが、大枠は一緒です。
水漏れリスクや破損のリスクに注意しながら確実に設置していきます。
④:浴槽への移動
ステップ④が浴槽への移動です。
- 抱え移動
- 担架移動
- 歩行移動
利用者のADLに適した方法で浴槽まで移動します。
ポイント
抱えは腰痛リスクが高い移動方法です。
腰痛を回避できる方法で移動させる業者もあります。

⑤:洗顔・洗髪・洗身
ステップ⑤は洗顔・洗髪・洗身です。
状態の変化や皮膚のトラブルがないか全身観察しながら、それぞれのスタッフが体を洗っていきます。
お湯に浸かる時間は約10分ほどで全身を洗うのでチームワークが必要となります。
ポイント
在宅で過ごす利用者にとって、訪問入浴の利用時が唯一の全身を観察できるタイミングです。
皮膚トラブルなどの身体変化をいち早くチェックし、関係機関へ報告することも重要な役割となります。
主に男性職員がシーツ交換の対応をすることになります。

⑥:浴後の健康確認
ステップ⑥は浴後の健康確認です。
バイタルの確認や簡単な処置がありますが、看護師は原則医療行為をすることができません。
(※介護保険で謳われています)
しかし全く医療行為をしないかと言うとそんなこともありません。
訪問入浴の看護師ができる医療行為は以下の通りです。
- 軟膏の塗布
- 褥瘡の処置
- パウチの交換
- 胃ろうのテープ交換
- 気管切開部の整容
着脱も看護師が対応しますが、拘縮した利用者や暴れる方の場合、介護職員と2名で対応します。
⑦:後片付け
ステップ⑦で後片付けです。
- 次の利用者も同じ物品を使う
- 清潔に保つ必要がある
- 菌を媒介してはいけない
- 移動させた自宅の物品をもとに戻す
- ベットの高さをもとに戻す
- 必要書類を渡す
- 必要書類を確認する
気をつけるところはこの辺りです。
ポイント
次の訪問時間に遅れが出ている場合はこの時に連絡を入れます。
一日全体の流れや時間を把握しておくことが重要です。

スタッフとの会話を楽しみにしている介護者もいますので、時間が許す限りコミュニケーションを取りましょう。
⑧:退出
ステップ⑧で退出です。
次回の予定や連絡事項を伝え、退出しましょう。
訪問入浴の一日の流れ
前の章で1件の流れを解説しましたが、この章は1日の流れを解説します。

1日の流れ
- 8:30 出勤、朝礼、申し送り
- 9:00 1件目
- 10:00 2件目
- 11:00 3件目
- 12:00 1時間休憩、昼食
- 13:00 4件目
- 14:00 5件目
- 15:00 6件目
- 16:00 7件目
- 17:15 事業所帰社、事務処理、翌日の準備
- 18:30 退社(1時間の残業)
こんな感じです。
面接時に応募する業者がどのような流れになるか確認することをオススメします。
訪問入浴の流れや一日の流れについては以下の記事で解説しました。
»訪問入浴の流れ8ステップ【職種ごとにサービス手順を完全攻略】
訪問入浴で起こりやすいトラブル事例
訪問入浴で起こりやすいトラブルは以下の3つです。
起こりやすいトラブル
- 車両事故
- 物損事故
- 介護事故
- 顧客トラブル
- 社内トラブル
一つずつ見ていきましょう
車両事故
最も多いトラブルが車両事故です。
- 後進した際にポールにぶつけた
- 道がわからず急ハンドルで事故
- 内輪差がわからず壁に擦った
このような事故は本当に多いです。
運転技術に過信することなく、細心の注意を払いながら運転したいものです。
他の職員に誘導してもらいましょう。

物損事故
物損事故も非常に多いです。
- 浴槽の搬入で傷ができた
- お湯漏れで畳が濡れた
- ホースを巻く際に花瓶を倒した
- マンホールに車両が乗り割れた
- 蛇口が折れて水が噴き出た
サービスをする以上、破損のリスクは必ず付き纏います。
事業所内でリスク管理をしっかり行い、トラブルを最小限に抑えたいですね。
介護事故
介護事故のトラブルも多いです。
- 皮膚剥離
- 抱えでの骨折
- 転倒
- ヒートショック
- やけど
- 脱水
対象となる利用者は重度の方が多く、身体状態も安定していない方が大半です。
介護リスクは他のサービスと比べても高いと言えるでしょう。
顧客トラブル
顧客満足度が高いサービスではありますが、顧客トラブルも必ず起こります。
- 到着時間が遅延した
- 対応方法
- 暴言を吐く利用者がいた
人と人が行うサービスなので、どうしてもトラブルは起こってしまいます。
クレームに対処する方法も身につけないといけないですね。
社内トラブル
社内のトラブルも起こります。
これはまさに、人間関係です。
組織に属す以上、100%何かしらの人間トラブルが起こります。
特に訪問入浴は3人1組で行動するので、社内の人間トラブルが起これば致命的。
- 社内で不倫している
- ◯◯さんと一緒に乗るのが嫌だ
- お局からの当たりがキツイ
- 上司からのパワハラを受けている
退職理由のトップ3に必ず入る人間関係ですが、相手をしっかりと考えられるスタッフになりたいですね。
訪問入浴のトラブルについては以下の記事で解説しました。
»訪問入浴のトラブル事例10選【実際にあった経験を業界人が解説】
訪問入浴でよくある質問
訪問入浴でよくある質問をまとめます。
必要な資格はありますか?
訪問入浴の仕事をするにあたり、必要な資格はありません。
ただ、実務者研修や介護福祉士は持っていて損はないばかりか、純粋に給料が上がりますので、入社してから取得する方が多いです。
仕事のやりがいって何ですか?
まさに泣いて喜んでもらえるところです。
多くの仕事がありますが、これだけ必要される仕事は多くありません。
自分を必要としてくれる仕事は尊いものですよ。
訪問入浴の仕事で辛いことはありますか?
利用者の入れ替わりが激しいことが辛いところです。
昨日入浴された方が翌日にご逝去されるなんてことも珍しくありません。
その分、感謝される仕事ではありますが、だからこそ辛くもあります。
訪問入浴で大変なことって何ですか?
夏場の入浴は体力的にかなりキツイです。
こちらが入浴してるんじゃないかと思うくらい汗をかくので。
体力に自信がない方は厳しいかもしれません。
残業はありますか?
その日の件数にもよりますが、残業はあります。
また業者によって残業時間の長さもバラバラで、月30時間のところもあれば月10時間のところもあります。
面接時に確認してみましょう。
次の章で業者選定方法について解説します。

訪問入浴で働く際に後悔しない業者選定のポイント5選
働く訪問入浴を選ぶ際のポイントを解説します。
参考にしてください!

業者選定のポイント
- 会社の規模
- 研修制度
- 条件と福利厚生
- 一日の件数
- 社員に対しての取組み
一つずつ解説します。
会社の規模
一つ目のポイントは会社の規模です。
訪問入浴は全介護保険サービス中、最も給付額が少ないサービスで利用する方が少ないということです。
- 経営難で会社が潰れる
- 給与が未払いになる
- 給与額が低い
- 有給が取れない
- 社員が集まらない
ある程度の規模がないと、従業員として安心して働くことができません。
研修制度
二つ目のポイントは研修制度です。
訪問入浴は無資格でも勤務可能ですが、何の知識がなくても働けるかと言うとそうではありません。
- 物品の名称
- 病気の特徴や対処法
- 作業方法
- 入浴車の構造
知っておかないといけない知識はたくさんあります。
また社内での資格取得研修が充実しているかも大事。
- 資格の取得が社内でできるのか
- 外部セミナーへの受講が必要か
- 補助はでるのか
- 入社してからも定期的に研修があるか
長く働くためには研修制度の充実さは大切です。
入社前に必ず確認しましょう。
条件と福利厚生
三つ目のポイントは条件と福利厚生です。
- 給与額
- 賞与額
- 休日日数
- 各種保険
- 有給の取得率
- 産休育休の取得率
- 残業時間
- 奨学金支援
などなど、ここが充実していないと従業員満足度は絶対に上がりません。
この点についても、資金力の大きな会社の方が充実しています。

一日の件数
四つ目のポイントは一日の件数です。
- 一日の平均は6件ほど
- 8件を超えるとしんどすぎる
- 5件以下は会社が潰れるかも
一日の件数が多すぎると大変すぎて職員の離職率が高くなります。
すると人員不足に陥り有給が取らせてもらえません。
つまり仕事に対する満足度が大きく低下することになる。
少なすぎると会社が潰れますが、多すぎるとあなたが潰れます。
面接時にそのあたりも確認しましょう。
社員に対しての取組み
五つ目のポイントは社員に対しての会社の取り組みです。
- 浴槽の軽量化
- 入浴車の開発
- 電子カルテの導入
- 評価制度の一新
- 慰労金の支給
社員に対しての取り組みが不足している業者で働くと、間違いなくモチベーションが下がってきます。
利用者ファーストは当然ながら、社員のことをしっかりと考えてくれる会社もあるので、そんな会社に入社するようにしましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
»【働きたい人向け】絶対に後悔しない訪問入浴の業者選定法5選!
まとめ:訪問入浴で働こう!
今回は「訪問入浴とはどんなサービスなのか」ということについて解説しました。
記事の要点
- 訪問入浴の基礎知識
- 訪問入浴の概要
- 他サービスとの違い
- 所要時間
- 利用料金と利用頻度
- 対象者
- 訪問入浴の作業方法
- 訪問入浴の7つの特徴
- 人員配置
- 安心して働ける
- 専用浴槽を使う
- 利用期間が短い
- 作業色が強い
- 無資格で勤務可能
- 顧客満足度No.1
- 訪問入浴に向いている人
- 体力がある人
- 一人に向き合いたい人
- 仕事も私生活も大事な人
- やりがいを感じたい人
- 訪問入浴に向かない人
- 介護全般を身につけたい人
- マイペースな人
- 訪問入浴のやりがい
- 利用者との距離が近い
- 自分を必要としてくれる
- 泣くほど喜ばれる
- 訪問入浴のきついところ
- 人間関係
- 入れ替わりが激しい
- 体力的にきつい
- 後悔しない訪問入浴業者を選ぶポイント
- 会社の規模
- 研修制度
- 福利厚生
- 一日の件数
- 社員に対しての取組み
訪問入浴は利用者にとって入浴の最後の砦です。
ですが、介護保険サービスの中でも最も喜ばれる仕事でもあります。
利用率2%弱でほとんどの方が見たことのないサービス。
そんな方にもぜひ訪問入浴を知ってほしい。
そう思い今回は訪問入浴が気になる人のために気になることを網羅的に解説しました。
読者の方の就職先を決める際に参考になることをお祈りし終了させていただきます。
以上、なーぴょんでした。